内祭について
内祭用神殿の祀り方
- 神殿の場所
神棚をおまつりするには、どんな場所を選べばいいのでしょう。
- 家の中心で、明るく清らかな所
- 南向きまたは東向きで、高い位置
- 家族みんなが毎日拝みやすい所
二階のある家では、神殿の上をひんぱんに人が歩くところは、避けなければいけません。このようなことが満たされているところが最も良い場所といえますが、そうした場所におまつりできない場合には、最良と思われる場所におまつりしましょう。
- 神殿の祀り方・調度品
- 神殿を祀る場所が決まりましたら、そこに棚をつります。鴨居などを利用するのが一番よいでしょう。棚の中央に神殿をすえ、左右にお榊や燈明具を立て正面に注連縄を張ります。神殿はお正月の近づく頃にたつ歳市や神具店で求められます。いろいろな形のものがありますが、神棚の広さ、大きさによって、適当なものを選んでください。
注連縄は、普通、稲藁で左綯(ひだりない)にしたものを用います。これは神聖なる場所を示す標示で、四垂(よたれ)あるいは八垂(やたれ)の紙垂(しで)をつけます。紙垂は、自分で作ってもよいのですが、氏神さまに行けばすぐにいただけます。しかし、場合によって略してもかまいません。
お榊は、常に生々とみずみずしいものでなければなりません。さかきは、栄える木との意味で、地方によっては、樫、松、杉、樅なども用います。常緑樹であることが大切なのです。これは榊立てに入れて供えます。
燈明具は、ロウソク立て、陶器、真中製のもの、電燈式のものと、種類がたくさんあります。その他、お供えをするための三方(さんぼう)(お供えをのせる台)・瓶子(へいし)・皿なども、適宜用意する必要があります。
- お神札の納め方
- 神座の順位は、中央を最上位とし、次がむかって右となります。したがって、三社造りや大きい神殿では、中央を伊勢の神宮大麻とし、むかって右に氏神さまのお神札、むかって左にその他の信仰する神社のお神札を納めます。
一社造りや神殿が小さい場合は、神宮大麻を一番手前に、氏神さまその他の神社と重ねて納めても、さしつかえありません。その他、各地の神社参拝の折にいただいた、お神札については、適宜、神殿が乱雑にならないよう、気を配って納めてください。
- お供えの仕方
- 神さまにお供えするものを神饌(しんせん)といいます。神饌は、毎日お供えするのが原則です。毎日お供えするものは、お米(洗い米・御飯)、お塩、お水の三品です。少しずつ白い小皿に盛り、水は水器(すいき)にいれて供えます。神具店で、専用のものを手に入れるとよいでしょう。
お供えは、そのまま神殿の上に供えてもよいのですが、正式には三方(さんぽう)や折敷(おしき)に乗せます。
お正月や、毎月一日・十五日あるいは家族の記念日などにはいつもよりたくさんの、供えものをした方がよいでしょう。季節のものやその折々の御馳走なども、ぜひお供えしたいものです。そうした折の神饌の準備ですが、米・酒・塩・水の基本的なもののほかに海川山野(うみかわやまの)の種々なものを用意いたします。おさがりは、家族みんなで少しずついただいたらよいでしょう。
神饌を供えるときには、順番があります。米・酒・魚・野菜・果物・塩・水とし、神座の順と同様に、中央からむかって右、次に左と、順々に並べてください。せまい神殿では合わせ盛りにして供えても結構です。
例えば、お米・お塩・お水の場合には、①お米または御飯(中央)、②お塩(向って右)、③お水(向って左)の順です。お酒もお供えする場合は、①お米(向って右)、②お酒(向って左)、③お塩(お米の右)、④お水(お酒の左)の順です。横一列に並べるのが基本とされていますが、場所が取れない場合は二列でも結構です。その場合、図のような並べ方をします。
- 神拝の作法
- 神拝の作法は、神社にお参りするときと同じです。二拝二拍手一拝(にはいにはくしゅいっぱい)というのが基本で、
まず神前に進んで軽く頭を下げてから二拝(深くお辞儀をする)し、次に拍手を二度、次に一拝します。神前を退く時には、また軽く頭を下げます。
一家の主人(または主婦)が、毎朝顔を洗い、口を嗽いで、心身ともに清めた後で、お供え物をした後で、おごそかに拝するのがよいでしょう。お正月、ご祝儀、七五三などの時には、家族全員が揃って、お参りします。特に、お祝いの本人を中心として、お参りしてください。
- 忌中の神棚
- 同居人が亡くなった場合には、喪に服し、故人のまつり(忌)に専念するため神棚に半紙を貼り、毎日のおまつりは控えます。五十日たったら忌明けとして、普段通りのおまつりを再開します。忌明けまでの期間は、地域によっても異なります。